高齢者になると、足腰が弱って買い物にいけなくなったり料理ができなくなったり、宅食サービスを利用する機会も増えてくるかもしれません。
特に一人暮らしとなると自分でできることに限界があるため、できないことは他のサービスに頼ることが大切になってきます。
ただし、すべての一人暮らしの高齢者が宅食サービスの適応になるとは限りません。
人によっては、宅食サービスの利用が逆効果になってしまう可能性もあります。
今回は、訪問看護向けのブログ「とあるコメディカル」を運営しているトコルさんにお招きいただき、「理学療法士目線で見て」一人暮らしの高齢者は宅食サービスを利用するべきかどうかを解説してもらいます。
この記事でわかること
・一人暮らしの高齢者が宅食サービスを利用するときのポイント
・宅食サービスを利用するべき一人暮らしの高齢者は?
・宅食サービスはどのように始めたらいい?
オススメの宅食サービスも紹介しているのでぜひ参考にしてみてください!
- 今回ご協力いただいた人
- トコル。理学療法士。訪問看護ステーションでは人事も兼任。訪問看護師に向けたブログ「とあるコメディカル」を運営。主に計画書・報告書の記載例、書類の無料ダウンロードを取り扱う。月1000,000PVが示す通り、訪問看護に携わっている人なら知っていて損はないブログ。
ブログURL:https://toaru-comedical.com/
教えて理学療法士!一人暮らしの高齢者は宅食サービスを利用するべき?
それではトコルさん、本日はよろしくお願いいたします!
こちらこそよろしくお願いいたします!
いつもとあるコメディカルさんにはお世話になっていたので、こうやってお話ができて本当に嬉しいです!
いえいえ、こちらこそいつもありがとうございます!
今回は、「一人暮らしの高齢者は宅食サービスを利用するべきか?」というテーマですが、理学療法士のトコルさんはどう思いますか?
そうですね!……結論、「人による」ってところですかね(笑)
で…ですよね!
利用するべき人もするべきではない人もいるってことですよね?
その通りですね!
一見、宅食サービスを利用すれば楽ですし、昨今の宅食サービスは味も美味しいと聞いていますので満足感も高いと思うんですが、人によっては利用するべきではない人もいます。
一人暮らしの高齢者が宅食サービスを利用するときのポイント
では、一人暮らしの高齢者が宅食サービスを利用するときは、どのようなポイントで判断すればいいんでしょう?
はい、私が思うに、一人暮らしの高齢者が宅食サービスを利用するときは、以下の3つの点をまずは考えてみて欲しいと思っています。
- 宅食サービスを利用するときのポイント
- ・なぜ一人暮らしができているかを考える
・宅食サービスを利用したとき、やらなくなることを考える
・もう一度、1日の生活を振り返ってみる
なぜ一人暮らしができているかを考える
まずは、「なぜ一人暮らしができているか」を考えることが重要です。
中には介護サービスを利用している人もいるかもしれませんが、それでも一人暮らしができているということは、ある程度自分のことは自分でできる、元気な高齢者であることが推察されます。
一般的に、年齢を重ねれば重ねるほど、筋力は落ちて体は弱っていきます。
そんな中、一人暮らしができているということは、何か元気な秘訣が隠されているはずなのです。
- 散歩が日課になっている
- 重いものを運ぶことが日課になっている
- 日中は比較的起きていることが多い
実はなんてことのない日課の一部に、元気な秘訣が隠されている可能性があります。
まず、なぜこの人は一人暮らしができているかを考えてみましょう。
宅食サービスを利用したとき、やらなくなることを考える
次に、宅食サービスを利用したとき、やらなくなることを考えます。
宅食サービスはお弁当を直接自宅に届けてくれるサービスなので、買い物に行くことや料理をするということはやらなくなる、もしくは頻度は落ちます。
このとき、宅食サービスを利用することによって元気の秘訣を奪いすぎてしまったら、個人的には積極的な利用は避けるべきだと判断します。
先ほどの例をもう一度見てみます。
- 散歩が日課になっている→お弁当が届くので散歩をする必要がなくなる→筋力低下
- 重いものを運ぶことが日課になっている→買い物の荷物を運ぶ必要がなくなる→筋力低下
- 日中は比較的起きていることが多い→料理をする必要がなくなる→立位・離床時間の低下
もしかしたら、良かれと思って利用した宅食サービスによって、どんどんと身体機能が低下してしまうかもしれません。
実際、料理という工程を奪ってしまっただけで、ずっと家に閉じこもりになってしまったという事例もあります。
もう一度、1日の生活を振り返ってみる
このように、人によっては宅食サービスの利用が思わぬ方向に進んでしまうこともあります。
そのため、もう一度1日の生活を振り返ってみましょう。
以下に当てはまる人は、宅食サービスの利用は少々慎重になった方が良いでしょう。
- 振り返るポイント
- ・外出の機会が買い物くらい
・買い物がいいリフレッシュになっている
・料理が好き
・自分の料理を食べるのが生きがい
上記ポイントの中で2つ以上当てはまっている人は、何か他の相当な理由がない限り宅食サービスの利用は早いと言えるかもしれません。
宅食サービスを利用するべき一人暮らしの高齢者の特徴
なるほど!
訪問看護師目線でいうと血液検査の数値が悪かったり食事が偏っていれば、すぐに宅食サービスを進めたくなっちゃうんですが、理学療法士目線でみるとやはり違う部分が見えてきますね!
そうですね!
「買い物や料理がどこに繋がっているか」をみていくことが必要になります。
ただ、おっしゃる通りそんなことは言っても利用するべき利用者がいるのも事実です。
ここからは、「宅食サービスを利用するべき一人暮らしの高齢者の特徴」を解説していきます。
血液検査の数値が悪く、医師に食事制限を勧められている人
まずは、「血液検査の数値が悪く、医師に食事制限を勧められている人」です。
このような人は、どんな背景があろうと宅食サービスを利用するべきだと考えます。
なぜなら、「買い物に行ける・料理ができる」という元気な秘訣は、体が健康な状態にあってからこそ得られるものだからです。
血液検査の数値が悪いと、筋力もつきにくいし大きな病気を患ってしまう可能性もあります。
まずは、体を健康な状態に保つことが最も重要なので、医師から食事制限を勧められている人は宅食サービスを積極的に利用しましょう。
制限食が豊富にある宅食サービスは、こちらの記事(カロリー・塩分・糖質など制限食が必要な人にオススメの宅配弁当サービスまとめ)でまとめているのでぜひ参考にしてみてね!
転倒を繰り返している人
次は、「転倒を繰り返している人」です。
いくら買い物が好き・料理が好きな人でも、転倒を繰り返しているのであれば宅食サービスの利用を検討するべきです。
というのも、日常生活において一番避けなければならないことは「転倒」です。
高齢者は転倒をすると骨折をしてしまう可能性が高く、完治をするとも限りません。
そのまま寝たきりに移行してしまう人も多いのです。
安全に日常生活が送れていない状態の高齢者は、宅食サービスを利用するべきと言えるでしょう。
買い物や料理が苦痛になっている人
最後に、「買い物や料理が苦痛になっている人」です。
膝や腰が痛い…もう買い物や料理をするのが限界!!という人は、すぐにでも宅食サービスを利用してください。
限界までムチを打って続けてしまうと、いずれ疲労骨折や慢性痛のように大病に繋がってしまう可能性があります。
痛みや我慢に耐えて行う買い物や料理は元気の秘訣とは言えません。
身体が休息やヘルプを欲しているサインです。
まずはお試しからでもいいので、宅食サービスを試してみましょう。
一人暮らしの高齢者にオススメの宅食サービス
なるほど、医師から勧められている人や体に危険が及びそうな人は、積極的に宅食サービスを検討するということですね!
その通りですね!
ここで逆に質問です!!
このような一人暮らしの高齢者にオススメの宅食サービスって、どんなものがあるか教えてもらえますか??
(びっくりした…。)
はい!ここは私の専門なのでご紹介しますね!
今は本当に多種多様の宅食サービスがあって、どこを求めるかによってオススメは変わってきます。
それこそ先ほどの「制限食」もそうですし、味やコスパ、ボリュームなどそれぞれに優れた宅食サービスがありますからね!
詳しくはこちらの記事(訪問看護師が厳選!高齢者にオススメの宅食サービスと頼むときの注意点まとめ)でまとめているからみてね!!
…で良いか?
あ…ありがとう!その通り!
そちらの記事では、目的別で高齢者にオススメの宅食サービスを紹介しています。
写真や動画も多数でレビューしているので、ぜひ見てみて下さい!
訪問看護師が厳選!高齢者にオススメの宅食サービスと頼むときの注意点まとめ
続きを見る
理学療法士が助言!宅食サービスの利用方法
最後に、宅食サービスを利用する上で気をつけることなどはありますか?
そうですね〜、以下の点は気をつけてもらいたいかなと思います!
- 宅食サービスの利用方法
- ・まずは少ない頻度から注文する
・お試しセットを利用する
・料理を続けたい人はミールキットも一つ
まずは少ない頻度から注文する
よく宅食サービスを利用するとき、いきなり毎日注文をする人がいますが、個人的にはオススメしません。
なぜなら、それだと宅食サービスを利用している時としていない時の差が分かりづらいからです。
そのため、まずは週2〜4回から始めてみることをオススメします。
利用したことによって、様々なことが見えてくるはずです。
「宅食サービスを利用したことで外に出なくなってしまった」
「宅食サービスを利用したことで痛みが減った」
「宅食サービスを利用したことで転倒をしなくなった」
良い面も悪い面も見えてくると思います。
まずは宅食サービスを利用した上での変化を評価して、それから頻度の調整をしていくようにしましょう。
お試しセットを利用する
宅食サービスを利用する上で、結局一番重要なのは「味」です。
こちらのブログでは美味しい味をまとめた記事をあげていますが、正直好みは人それぞれです。
そのため、まずはお試しで数社の味を確かめてみることをオススメします。
比較的、お試しセットは割引が適応するので安価で試せるのも嬉しいポイントです。
参考記事:【2022年最新版】一番美味しい宅食サービスはココ!実際に頼んでみた結果から徹底比較
料理を続けたい人はミールキットも一つ
最後に、「料理は続けたいけど買い物ができない」人はミールキットを利用するのも一つです。
意外と料理は続けたいけど外に出ることができない、重い荷物を運べないという理由から料理を諦めている高齢者は多くいます。
その点、ミールキットを利用すればその悩みは解決できます。
ミールキットとは食材だけがお家に届くサービスです。
そのため、料理は自分でする必要があります。
料理が楽しみになっている人、生きがいに繋がっている人、けど買い物に行けない人はミールキットの利用を積極的に利用するようにしましょう。
ミールキットなら圧倒的に「YOSHIKEI(ヨシケイ)」がオススメです!
教えて理学療法士!一人暮らしの高齢者は宅食サービスを利用するべき?のまとめ
一人暮らしの高齢者が宅食サービスを導入するときは、「その人がなぜ一人暮らしをできているか」を考え、元気の秘訣を奪わないようにしましょう。
買い物や料理が元気の秘訣なら、宅食サービスの利用には慎重になるべきかもしれません。
しかし、「血液検査の数値が悪く、医師に食事制限を勧められている人」「転倒を繰り返している人」「買い物や料理が苦痛になっている人」は、宅食サービスに頼るようにしましょう。
まずはお試しセットなどを利用して、少ない頻度からスタートするのがオススメです。
買い物に行けないけど料理は続けたいという人は、「ミールキット」という方法もあることを覚えておいて下さい。
本日は本当にありがとうございました!
こちらこそありがとうございました!
サクさんには、私のブログでも記事「訪問看護利用者にオススメの宅配弁当 | やわらか食や減塩食も!【配布用チラシ有】 | とあるコメディカル」を書いてもらっています。
参考になることばかりなので、ぜひお越しください♪
- 今回ご協力いただいた人
- トコル。理学療法士。訪問看護ステーションでは人事も兼任。訪問看護師に向けたブログ「とあるコメディカル」を運営。主に計画書・報告書の記載例、書類の無料ダウンロードを取り扱う。月1000,000PVが示す通り、訪問看護に携わっている人なら知っていて損はないブログ。
ブログURL:https://toaru-comedical.com/